私が「ハラスメント研修専門講師」と名乗る理由

こんにちは、ハラスメント研修専門講師の倉本祐子です。

私が「ハラスメント研修専門講師」と名乗り始めてから、今月で一年経ちました。(2018年3月)

最近、研修に参加された方々から、

「どうして、ハラスメント研修専門講師になったのですか?」と質問されることが増えました。

プロフィールを読んでくださった方は、私自身が「ハラスメント被害者」だから、そう名乗るのだろうとお考えだと思います。

それも大きな理由の一つですが、実はもっと大きな理由があります。

それは、私自身が「パワハラ上司」だったからです。

今日は、プロフィールに書ききれなかった、その時の心情を書きたいと思います。

会社員時代のほとんどがリーダー職

私は、社会人半年でアパレルメーカーの店長になりました。

その後、転職して独立するまでの20年間、殆ど何かのリーダーか管理職に就いていました。

そのため先輩や上司から、丁寧に仕事を教えてもらった経験がありません。

社会人一年目は、上司が何も教えない方だったので、見よう見まねで仕事を覚えました。

その後、3年して転職した2社目のベンチャー企業では、「見て覚えろ」「とにかくやってみろ」と仕事の目的も意味も分からないまま、ただ、がむしゃらに動き回る日々。

「走りながら、考えろ!」と、いつも急き立てられるように仕事をしていました。

そのベンチャー企業は、社員一人ひとりの成長を待たず、恐ろしい勢いで大きくなっていきました。

当時私は、26歳でゼネラルマネージャーという役職になり、知らない間に部下が50名近くになっていました。

女性だけで作ったインストラクター(接客販売担当)の組織は、そのとき数百名まで増え、その数百名を統括するたった5名の「ゼネラルマネージャー」は、組織の中で大きな力を持つようになりました。

私たちゼネラルマネージャーが歩くと、数百名のインストラクターが一斉にお辞儀をする。

大勢の目が、たった5名しかいない私たちに対して、羨望のまなざしで見ている。

社長から絶対的な信用を勝ち取り、組織の長として誰もが認める存在になっていました。

しかし、それが組織の中だけだって、人間の上下を表すものではないことが分からず、若くて幼い私は、どんどん頭の中に虚像が出来上がっていきました。

自分の力を勘違いする

私は絶対的な権力を持ったと勘違いしたのです。

仕事のポジションが人間の格を決めるものではありませんが、当時の私は非常に奢った考えを持って、部下を見ていました。

「私が言うことは絶対守ってもらう、だってゼネラルマネージャーだから!」

だから、結果を出せない、売上を作れない、ルールを守れない人には容赦ない言葉を吐き捨てました。

「鬼」と呼ばれようと、そうすることが私の中の「正義」になっていたのです。

その時の私の心の中にあったもの、それは・・・

「役職に対する、奢り」
「売上に対する、焦り」
「人を育てなくてはならない、重圧」
「若いからと舐められたくない、葛藤」
「女だからと言われたくない、悔しさ」

様々な「感情」と向き合ってみたものの、全く消化できないまま、とにかく前に進み、
相談する相手もなく、前進するだけの日々でした。

そうして、部下が一人・・・二人・・・と辞めていって、初めて目が覚めたのです。

あれから、20年以上たちますが、未だに夢に見ることがあります。

悲しそうな表情で、何かを言いたげな部下の姿。

あの時に、もっと話を聴けば良かった。
あの時に、怒るのではなく、優しい言葉をかければ良かった。

何度も襲った、後悔の気持ちは今も心の中に残っています。

その後、体調を崩したことをきっかけに改心し、部下とのかかわりを改めることができました。

体調が、私の暴走を止めてくれたことで、ようやく落ち着いて自分と向き合うことが出来ました。

 

この苦い経験をして欲しくないから

こうした、苦い経験をして欲しくない。

私のように指導の仕方を知らないで苦しんでいる方が大勢いるのではないか。

指導方法を知らないから、パワハラと取られるような言い方になっているのではないか。

経験したこと、指導を変えると部下が一斉に伸びる方法を、上司として苦しんでいた私自身が伝えることで、

きっと多くのリーダーや管理職の心が楽になるはずだと思い、ハラスメント研修専門講師と名乗ることを決めました。

そのため、私が実施するハラスメント研修は、パワハラやセクハラのことを知るための研修ではなく、

パワハラと言われないために適切な指導方法や、セクハラと思われないための適切な言葉遣いを学ぶプログラムです。

あれから、一年経ち、多くの企業でハラスメント研修や部下育成の研修に登壇する機会をもらいました。

「部下を信じてください。部下が育たないと諦めないでください」

必ず、研修の最後に伝えているこのメッセージは、パワハラ上司だった私に伝えたい言葉です。

以前、一緒に働いたみんなに、感謝を込めて。

「あの時は本当にごめんなさい。そして、ありがとうございます。みんなのおかげで、私は目が覚めました」

お問い合わせ・研修のご相談

平日の日中は、登壇中であることが多いため、電話に出にくい状況です。メールフォームにてお問い合わせいただけましたら、こちらからご連絡させていただきます。

お手数おかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。