【体罰は仕方ない?】ハラスメントの視点から

こんばんは、ハラスメント研修専門講師、キャリアコンサルタントの山藤祐子です。

本日、いつかお話を伺いたいと思っていた方の研修を見学させていただく機会を貰いました。

その方とは、鈴木瑞穂先生
ハラスメントのグレーゾーンやコンプライアンスについて、分かりやすく書いていらっしゃる
元あずさKPMGあずさビジネススクール講師で、こちらの著書を書かれた方です。

『現場で役立つ! セクハラ・パワハラと言わせない部下指導 グレーゾーンのさばき方』
著者:鈴木瑞穂 出版社: 日本経済新聞出版社
https://www.amazon.co.jp/dp/4532321247/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1504612754&sr=1-1
ご興味ある方は、ぜひお手に取ってみてください。

鈴木先生の研修を見学しながら、改めて考えていたことがありました。

それは、私がずっともやもやしていたこと。

日野皓正さん往復ビンタの一件についてです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170831/k10011120551000.html(8月31日NHKニュース)

 

日野皓正さんの今回のことについては、見方はそれぞれだと思いますが、

私の立場からは
①「指導が適性な範囲」を超えていたか、いなかったか
②エンターテイメントを提供する立場とトップの行為として適正だった否かについて
考えたいと思います。

その前に、私がハラスメント防止研修で基礎としてお伝えていることについて書きます。

パワーハラスメントの定義

【パワーハラスメントの定義について】
職場のパワーハラスメントとは 職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、
職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて
精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

そして、さらに6つに分類されます。
1身体的な攻撃・・・殴る、ける、叩くなどの暴力行為
2精神的な攻撃・・・みんなの前で罵倒、長時間に執拗に叱る
3人間関係からの切り離し・・・一人だけ別室で仕事をさせるなど
4過大な要求・・・とても出来ないような仕事を任せる
5過小な要求・・・仕事をさせない、簡単な仕事だけさせる
6個の進学・・・交際相手を執拗に問い詰める、家族の話を根掘り葉掘り聞く
(厚生労働省HPより)
一つでも該当すれば、パワハラであると言えます。

この内容をご覧いただいて、以下お読みください。

指導者の立場として

まず、生徒がとった行動がたくさんの報道がありましたが、

確かに場を読んでいない、和を壊した、独りよがりの行動です。

では、指導者の立場として、その独りよがりの生徒に対して、

ビンタをしたなら、軽さ重さに問わず、それが「適正な範囲」を超えていなかったかというと

私は越えたと思います。

それは上記のパワハラの6つの中に①に当たるからです。

悪いことをしたら「殴って当然」という考えたに私は真っ向反対です。

職場じゃないからいいか?

子供だから殴るのか?指導だから殴ってOKなのか?

こういうことが当然と感じるからこそ、パワハラはなくならないと思うのです

 

殴らなくても話し合いはできます。

相手の目線に立って、相手にわかるように伝えるのは年長者の技です

暴力に力を借りるのは、先のハラスメントと同じ、「適正な範囲」を超えるのです。

「昔は体罰あったのに、今はなぜダメなのか?」という話によくなりますが、

こういう体罰は仕方ないという考え方が、ハラスメントを起こす一つの原因だと考えます。

実は、私も何度も、こういった「制御がきかない」場面に出くわします。

実際のあった例でいえば、こういう事例です。

講義をしている最中に、いきなり「先生、〇〇すきっすか?」

「ねえねえ、これ俺の彼女、可愛いでしょ?」とスマホを見せる。

たしなめて講義を続けていたら、「叱られた~~~おれ、叱られた~~~」と大声で騒ぎだす。

騒ぎ出したからといって殴るか?怒鳴るか?

やりません。指導者として、他の方法ととります。

この場合は、彼をまず前に呼び、やっていいこと、悪いことを説いて、講義の協力をお願いしました。

「でも、黙っているのはつらい」というので、10分に一度、話し合いの機会を作るから、

それまで考えておいてと進め方を変えました。

怒鳴ることもできます、結構私は怖いと思います。

でも、やりません。

理由は、怒鳴っても、びびらせても、本人が納得しなければ、また同じことをするからです。

改善するべき理由と根拠を相手に伝えなければ、相手の行動は変わることはありません。

その学生には終了後、
「あなたの行為は授業妨害です。次回も授業妨害をするなら、授業を受けなくていい」と念押しをしました。

当然、理由も踏まえて伝え納得できないなら来なくていいとはっきりと伝えました。

その彼は次の講義は休み、その翌週やってきて、「やっぱり受けたい」と申し出てきました。

お互いに約束を交わし、講義に参加をしてもらいました。

今回の日野さんの一件については、私は実際にその場にいないから何とも言えませんが、

他の指導方法があったはずだと考えます。

舞台で聴衆の前でやるべきことか

次に、エンターテイメントとして私が思うことは、

本当に他の方法はなかったのか?ということです。

確かに調和を見出しのは、中学生だと思うのですが、

それを大人が感情をむき出しになった日野さんが、さらに和を乱したように見えました。

プロ中のプロならば、笑いに変える、他の楽器の音でドラムの音をかき消す、いったん幕を閉める。

など、素人の勝手な想像ですが、他のやり方があったのではと思うのです。

これまでに何度も演奏をされた方だからこそ、なぜ舞台で?と思わずにはいられません。

だって、舞台と聴衆を誰よりも大切にしてきた方のはずだから。

願わくば、このイベントがなくならず、より良いものになることを願っています。

今日も、ご覧くださり、ありがとうございます。

投稿者プロフィール

山藤祐子
山藤祐子ハラスメント対策専門家
ハラスメント研修専門講師
国家資格キャリアコンサルタント

ハラスメントとは、あらゆる分野における「嫌がらせ」「迷惑行為」のことです。

企業においてハラスメントを防止するための研修を行っています。

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