【飲み会シーズンだから知って欲しい】会社の飲み会で起こりやすい『ハラスメント』とは?

こんにちは、ハラスメント研修専門講師の山藤祐子です。

さて、忘年会や新年会も含めて、会社の飲み会で起こりやすいハラスメントについて説明したいと思います。

先日、ハラスメント防止研修で参加者の方がポロリと言った言葉が気になりました。

それは、

『飲み会って、何か気が緩みますよね』

という一言です。

確かに飲み会は、職場から離れているし、お酒も入っている。

席も近くてお互いの距離がグッと近くに感じます。

だからどうしても、「今日は無礼講で!」なんて、気になってしまうと思います。

しかし、ここでしっかりと認識して欲しいことは、飲み会の席も「職場」とみなされるということです。

飲み会も職場?

職場とは、事業主が雇用する従業員が業務を遂行する場所のことを指しますが、従業員が通常就業している場所以外であっても、従業員が業務を遂行する場所であれば、「職場」ということになります。

例えば、取引先の事務所、接待で訪れた飲食店、出張先、お客様の自宅、取材先なども職場といえます。

また、アフターファイブの宴会であっても、実質的に職場の延長線上での集まりであれば、職場に該当します。

実際に、2次会まで職場とみなした判例もあります。

何で判断するかというと、職務との関連性や参加が強制的か任意だったかなどが考慮されます。

ちなみに先に書いた2次会まで職場としてみなした判例では、男性の上司が新人の女子社員に対して、断れないことを前提に強制的に参加を促したことで職場としてみなされました。

では、宴会が職場なら何に気を付けなければいけないのか、具体的に挙げてみました。

職場の飲み会で気を付けること

1無理やり飲ませないこと。

アルコールハラスメントという言葉もありますが、飲酒は無理やり飲ませたら、アルコール中毒になる危険性があるので、絶対にやめましょう。

今時、「俺の酒が飲めないのか!」という上司はいないと思うのですが、最近の研修で、「乾杯はビールと決まっているので従うべき」だと主張する方がいました。

どんな飲み物でも乾杯はできるので、理由のない拘りは押し付けるのはいかがなものかと思います。

2軽い気持ちでボディタッチ。

飲み会の席はオフィスと違って、お互いの距離がちかいため

知らず知らずに手や肩がふれることはありますが、触っていいのは手から肘までくらいです。

肩をさわる、足を触るなどは、セクハラに該当しますのでやめましょう。

これは女性が男性に対しても同じです。

人には人のパーソナルスペースがありますので、べたべたと触れるのを嫌う人もいます。

友達レベルで45~120センチ
商談相手は120~360センチと言われていますので、近寄りすぎないように気を付けましょう。

3下ネタ

飲み会の鉄板ネタの人もいるようですが、あくまで職場ですので、下ネタも必要ありません。

「男性同士だからいいよね」と言う人もいますが、男性だから下ネタが好きとは限りませんので、その思い込みは捨てましょう。

ちなみに女性同士でも、私のようなアラフィフになると、下ネタが大好きな方もいますが、どうぞ話すのは仲の良い仲間のときだけにしてくださいね。

4経験を聞く

実際に私自身も聞かれたことがありますが、異性経験について聞くのも職場と考えればふさわしくありません。

これも男性同士、女性同士だとしても同じことです。

それを聞いたところで、職場のチームワークは良くなりません。

実際の事例として、社内恋愛をしていた男性部下がしばらくして女性部下にふられたことを必ず飲み会で持ち出して、みんなで笑いものにするという話がありました。

上司としては、その場を盛り上げたつもりのようですが、言われた男性部下も女性部下も笑いものになって、楽しいはずがありません。

5お酌を強要する

「女性だから上司にお酌をしなさい」というのは、性役割の押し付けになるのでセクハラに該当することがあります。

グラスが空いてお酌をするのは、誰であってもできることです。

食事のとりわけなども同じこと。気が付いた人がすればいいものです。

中には、男性と男性の間に女性を座らせるようにしているという話を聞いたことがありますが、思わず、「何のためにですか?」と質問してしましました。

理由は、「上司が喜ぶから」だったのですが、それこそ言語道断です。

飲み会は何のために行うのかを考え、会の目的に合わせて席順は決めましょう。

こんなこと内容を、判例を出しながら研修で説明すると、

「何を話せばいいのか分からない」

と言われることが結構あります。

そこで、どんな会話をすれば良いかを挙げたいと思います。

職場の飲み会で話してほしいこと

・趣味、スポーツ、家族や人生に対しての考え方など職場で見せない顔を知る

・自分が今後挑戦したいと思っていること

・仕事で悩んでいること、アドバイスが欲しいこと

など、普段職場で面と向かって話せないことや、上司の知見を聞くチャンスにして欲しいのです。

部下や上司の知らない面が分かると、職場でもコミュニケーションがとりやすくなったり、自分のやりたいことやこれからのことを上司にアピールすることもできます。

ただ、飲みだけ、騒ぐだけでは、せっかくの時間もお金も勿体ないです。

これからのビジョンや楽しい会話して、「明日から、また頑張ろう!」と思えるような飲み会にしてほしいと思います。

最後に、誤解のない様に説明しますが、友達同士や、仲の良い同僚と飲みに行くときのことではありません。

あくまで職場とみなされるような、職場の立場を持ち込んだ飲み会のことです。

だからといって、何をしてもいいかと言うと、当然そうではありません。

大切な仲間だからこそ、「親しき中にも礼儀あり」

この気持ちを持つことが大切です。

投稿者プロフィール

山藤祐子
山藤祐子ハラスメント対策専門家
ハラスメント研修専門講師
国家資格キャリアコンサルタント

ハラスメントとは、あらゆる分野における「嫌がらせ」「迷惑行為」のことです。

企業においてハラスメントを防止するための研修を行っています。

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