【研修受講者の質問】「家族写真を会社の机に置くことは、ハラスメントですよね?」

こんにちは、ハラスメント研修専門講師の倉本祐子です。

ハラスメント防止研修で以前、ある女性の受講者の方から質問されたことを書こうと思います。

それは何かというと、

「机の上に置いてある家族写真って、ハラスメントですよね?」

ということです。

この相談を受けてから、自分の体験も踏まえて、ハラスメント防止研修では必ず取り上げて話すようにしています。

 

家族写真を会社の机に置くこと

質問内容は具体的には、以下のような内容でした。

「私の隣の同僚は、机の上に家族写真を置いています。

これは、子どもがいない私に、早く子供を産めという無言のプレッシャーをかけているのと同じことだと思います。

なぜなら、私が子供をいないことも子供が欲しいことも彼は知っています。

だから、これはハラスメントと言えると思うのです。」

という話でした。

会社のデスクの上の家族写真。

皆さんは、どう考えますか?

研修で、このテーマで考えて貰うと、色々な意見が出ます。

「家族写真は普通のこと、言っている人が敏感すぎるよね」

「これは、ハラスメントだ。苦しんでいる人がいるなら」

そして、必ず正解はどこかと相談をされますが、

この正解を出すのは、私ではなく組織で働く方々なのです。

ハラスメントか否かについて検討するためには、そうやって相談した人と同じような立場の人を3人以上に聞くことで、回答が出てきます。

同じような立場の人とは・・・

同じ性別

同じ職種

同じ雇用形態

同じ年代

ということです。

普通とは?

なぜなら、「一般的に」「普通は」という基準は大変あいまいです。

何をもって、「一般的に」となりますか?

どこを基準に、「普通は」と判断しますか?

そう、この言葉には何も基準を示してはいません。

しかし、人はこの「一般的に」という言葉や「普通は」という言葉を借りて、自分の基準はこうだと話します。

相手が同じ基準か、どうかも確認せずに、押し付けるのです。

その言葉が相手を傷つける可能性があることも、想像せずに言ってしまうことの怖さ。

実体験から、自分の普通を押し付けることは、決してうまくはいきません。

この家族写真の話でも、必ずその人の「普通」や「あたりまえ」が存在します。

人それぞれの「普通」と「あたりまえ」

「結婚するのは普通」

「結婚したら、子供を産むのがあたりまえ」

最近は、こんなことを会社内で言う人はずいぶん減ってきましたが、まだまだある一定の年代の方々には根強く残っているように感じています。

そのため、研修では私の実体験を話しながら、「自分のあたりまえは他人のあたりまえではない」ことを伝えています。

なぜなら、結婚も子供を産むことも、それを切望して、切望しても、手に入れられない人がいることです。

私は、37歳で結婚し、不妊治療を5年間しました。

500万以上のお金をかけて、子供を授かるために病院に通いました。

病院を何度も変えて、子供を授かるために努力しました。

仕事も控え、妊活に注力しました。

周りから、いろんな言葉を受けました。

「キャリアがつぶれるよ。仕事は続けるべきだよ」

「もう40歳近いのだから、子供はいいんじゃないの?」

「そんなにお金をかけて、子供が欲しいって私には考えられない」

当時は、こういうことを言われるたびに落ち込んだものですが、今は仕事で活かせているので、なんでも肥やしになるもんだと思ってます(笑)

さて、話は戻りますが、人によって「普通」や「あたりまえ」は違うことを認識した上で、では、結婚の話も子供を産むか産まないかの話も、職場に必要なのか?ということです。

確かに、上司としては計画を立てる上で、ライフイベント(就職・結婚・出産・病気などの人生の大きな出来事)が決まっているなら、先に知りたいと思うことでしょう。

このことを一度でも聞いたら、「はい!セクハラ!」ってことではありませんが、頻繁に聞くことはセクハラまがいになるので要注意です。

基準をつくる

さて、最後になりましたが、デスクの上の家族写真を置くことをハラスメントとするのか、どうかについて、改めて書きます。

先に書いた3人の同じ立場の人に聞いたら、基準をつくるといいでしょう。

会社理念や働き方に照らし合わせてると、考えやすいと思います。

実際に、相談に来られた方の会社は、人事の方がその他の社員の皆様と話し合って、「家族写真も含めて、机の上に仕事以外のものを置くのはやめよう」ということになったそうです。

その会社では、フリーアドレス制を導入する時期だったこともあり、誰もが納得して基準が決まったそうです。
(フリーアドレス制:会社の中で一人ひとりが固定した席を割り当てず、在社している社員が仕事の状況に応じて空いている席を使うスタイルのこと)

こういう会社もあれば、会社理念の中に「愛」を掲げている会社は、家族写真どころか愛犬の写真、ぬいぐるみ、机の上になんでも置いてもいいという基準の会社もありました。

 

身だしなみの基準が会社によって異なるように、会社のデスクの上に置くものを制限するかしないかなども会社独自で決めればよいと考えます。

 

いろんな考え方、さまざまな立場の人が混在して、一緒に働く時代だからこそ、お互いに気持ちの良い環境を作っていくことが大切です。

 

ちなみに私だったら、どうするか?

家族写真は自分のスマホの中だけにします。

理由は、職場のデスクの持ち主は会社なので、私物は置きません。

それに、仕事中にちらちら見えると集中できないということもあります。

仕事とプライベートの線引きをしっかりしたいので、見えるところから整えたいからです。

投稿者プロフィール

倉本祐子
倉本祐子ハラスメント対策専門家
ハラスメント研修専門講師/国家資格キャリアコンサルタント

ハラスメントとは、あらゆる分野における「嫌がらせ」「迷惑行為」のことです。

企業においてハラスメントを防止するための研修を行っています。

詳しいプロフィール、研修実績、メディア掲載歴はこちらです。

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