【窓口対応は企業の顔】「その話し方、お客様をイライラさせていませんか?」
こんにちは、ハラスメント研修専門講師の山藤祐子です。
皆さんは、「クレーマー呼ばわり、されたことがありますか?」
私はあります!!
今日は、実際に私が体験した、あるパソコンメーカーの窓口対応を実録でお届けします。
パソコンの電源が入らない!
ある朝、まだ、買って半年ほどのパソコンの電源が入らなくなりました。
ボタンを何度押しても、うんともすんとも言わない。
すぐさま、スマホで「パソコン 電源入らない」と打ち込み、処置方法を検索し、色々と試しましたが、全く何も反応しませんでした。
購入したメーカーに問合せし、症状を伝えたら、「修理が必要」とのことで、パソコンを送ったところ、3日後には修理が完了して戻ってきました。
「中々、迅速な対応だな」なんて、思って機嫌よく使っていました。
しかし、修理から戻ってきて一週間もせず、
またまた、電源が入らない。
前回と全く同じ症状が起こったのです。
「やれやれ、またか・・・」と半ば呆れながら、メーカーに問い合わせをしたときに、コトが起こりました。
「クレームですか?」
メーカー「はい、〇〇サポートセンターでーす」といかにも若そうな声の女性が対応してくれました。
私「先日、パソコンを修理してもらった倉本です。また同じ症状が起こり、パソコンの電源が入らなくなりました」
メーカー「あ、そうですか~。え~~っと、お名前をおしえてください」
私「山藤祐子です」
メーカー「お調べします」と言って保留になり、そのまま待つこと5分。
メーカー「あ、もしもし?ありました。倉本さんですね。電源入らないってことですね。では、修理になるんで、送ってください」
私「送るのですね?着払いでいいですか?」
メーカー「え?元払いで、送ってください」
私「どうしてでしょうか?先日の修理では確かに元払いで送りました。
修理をしたはずのものが、一週間経たず同じ症状が起こるということは、修理が出来ていないということではないでしょうか?」
メーカー「でも、元払いで送ってもらうことになってますから」
私「そうですか、申し訳ないですが、あなたの言っていることが納得できないです」
メーカー「はあ、クレームですか?」
私「そう感じるのであれば、そうかもしれませんね。申し訳ないのですが、他のオペレーターの方に替わっていただけますか?」
メーカー「はあ、わかりました。ちょっとお時間かかりますが・・・」
私「大丈夫です。携帯番号にご連絡いただけますか?」
こういう態度で応対をされた時、「お、研修のネタになるのでは!」と面白がることにしています。
なぜなら、私はクレーム応対研修や接客などの研修をすることがあるので、どうしても接客をしてくれる方の言葉が気になりすぎるからです。
しかし、今回ばかりはいきなり「クレーマー呼ばわり」されてしまい、イライラする気持ちが中々収まりませんでした。
なぜ、イライラしたのか
そこで、落ち着かせるために、自分がなぜイライラしたのかを考えてみました。
まず、言葉遣いに丁寧さが足りない。
「え~~っと、お名前をおしえてください」
「お調べします」と時間がかかることをお客様に了解を得ないまま進める
「はあ」という返事ではビジネスマナーが出来ているとはいえない。
次に、言葉遣いが幼いため、頼りなく感じる。
「でーす」「そうですか~」「えーと」など、
言葉や語尾を伸ばす話し方は、とても幼く聞こえてしまいます。
仕事の電話で話し方が幼いと、頼りなく聞こえてしまい、「この人に任せても大丈夫かな?」とお客さまが不安になってくるのです。
不安に感じながら話を聞いていると、不安が不信に繋がってくるため、苦情やクレームに繋がる可能性が増えてきます。
最後に、お客様の立場に立った話し方が出来ていない。
「でも、元払いで送ってもらうことになってますから」
というような、お客様の状況を汲み取らず、会社のルールだけを主張することも、「何も分かっていない」と感じて不満を感じる人も少なくないと思います。
なぜなら、パソコンを修理に出して、一週間経たず、また同じ症状が出て困っているお客様に対して、その気持ちを理解する言葉=相手の心情を理解した言葉が欠けているからです。
それよりも何よりも、
お客様に「クレームですか?」と言ってはいけないです。
言われた側は、「クレーマー呼ばわりされた!」と憤慨し、さらにもっとひどいクレームに繋がる可能性があるからです。
さて、この一見ですが、数分後、別のオペレーターからご連絡があり、とても丁寧な対応で話してくださったので、気持ちよくパソコンを修理に出すことができました。
クレームはなぜ起こる?
こうして自分に起こったことを分析し、改めてクレームが起こる理由を整理しました。
- 接客態度が悪い・・・ビジネスで必要な敬語が使えない、なれなれしい話し方をするなど、立場や状況に応じた話し方ができていないと大事にしてもらっている気持ちがせず、不満に思います。
- お客様の心情を理解しない・・・困っている、大変だという相手の気持ちを汲んだ言葉がないと不安になって、気持ちをぶつけたくなるかもしれません。
- 自分たちのルールばかり話す・・・今回のようなメーカーの過失の可能性が高いにも関わらず、自社のルールを押し付けると嫌な気分になります。
- 商品が良くない・・・使ってすぐに壊れる、商品不良など色々ありますが、売っている立場の方は、謝るしかありません。
1~4を総合して思うことは、やはり、買う側には「こうして欲しい」という自分なりの期待があるため、その基準に届かない時にクレームになること多いのだと考えます。
私も今回、電話をする前に
「この間修理したばっかりだから、きっと謝るだろう」と相手が話すことを想像していました。
そう、「謝ってくれるだろう」と期待していたということです。
しかし、謝らないし、粗雑な対応をされたことで、思いがけずイライラしたのだと思います。
電話は、対面で話すのとは違い、「声」と「話し方」と「使う言葉」で印象を作ります。
特に「話し方」と「使う言葉」は、その方のビジネスマナーの習得度が良く分かるものです。
普段から研修で説明していましたが、こうして体験をすると、改めて電話応対の「話し方」や「使う言葉」がどれほどのインパクトを相手に与えるかを身をもって知ることができました。
それと同時、「人の振り見て我が振り直せ」
自分自身の「話し方」や「使う言葉」についても、振り返ろうと思った次第です。
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