人生で2度目の就活

先のベンチャー企業の倒産が決定したことをきっかけに上京を決意しました。

年商60億ほどになっていた企業が倒産したのは、社長が数十億の脱税をしたからでした。

120人のマルサが各役員を対象とした家宅捜査に入り、NHKのニュースに流れ、会社は全く営業ができなくなりました。

当時役員だった私は、たまたまその朝は出張で福岡にいたため、突然の家宅捜査に入られることはありませんでしたが、重要参考人として何度も神戸地検に行くことになりました。

会社の信用は音を立てて崩れていき、倒産が決まったのが31歳のとき、1999年でした。

一旦実家に戻り、和歌山で暮らそうかと考えましたが、もっと働いてみたいという欲求が湧いてきました。

しかし、2000年。

景気が低迷し、和歌山や大阪には正社員の就職口が皆無だったため、友人を頼りに東京で就職活動を始めました。

人生二度目の就活です。

そこで、アデコ株式会社のコーディネイター職に就きました。

この仕事は私の人生で大きく転換するきっかけをくれました。

キャリアコンサルタントとしての第一歩

まず、世の中には、こんなにたくさんの職業があること、働き方が多様にあることに驚きました。

そしてさらなる驚きは、関東では、女性が結婚しても働けることでした。

それも、結婚してすぐに子供を持たず働くことや、子どもを産まない選択をしても良いこと。

これは少なくとも、関西地方や私の実家の和歌山、九州では考えられないことでした。

コーディネイターの仕事は私にとって、とても楽しい仕事でした。

人の話を聴くことは大好きだし、相手の真意を引き出すことは前職で鍛えたおかげで、すっかり得意になっていました。

売上げを上げることも、クライアントと良い関係性を築くことも、「人の話を聴く」ことを徹底すれば、本当にスムーズでした。

そして、ここでキャリアコンサルタントの資格を取得させていただき、派遣社員のキャリアカウンセリングを担当するようになりました。

小林さん(仮名)の相談事例

ある日、自分が担当している派遣スタッフの小林さん(仮名)から「就業先の人からセクハラを受けている」という電話を貰いました。

まだ、就業して一か月ほどのことです。

小林さんは、お子さんが小さいということで、短時間の勤務をしていました。

詳しく話を伺うと、指示を出してくれる男性社員に就業して一週間くらいの時に、「一目ぼれしました」とメールで告白されたというのです。

小林さんは冗談かと思い、職場ということや、相手が上司にあたる社員であることから「困ります」と、はっきりとお断りしたそうですが、態度が変わらず、どんどんひどくなっているというのです。

仕事が終わって駅に向かって歩いていると、後ろから車で近づいてきて、「送ってあげる」と誘ってくる。

「いいです」とはっきり断って駅まで走って帰ると、翌日も同じように「送ってあげる」と誘ってくるとのこと。

職場では、「仕事を教える」ことを理由に会議室に籠り、仕事の話もせずプライベートの話を色々と詮索してくる。

席が隣のため、手を触りに来たり、肩を触ったりと、とにかく落ち着いて働けないという話でした。

「わかりました。それで、小林さんはどうしたいですか?」と質問すると、「会社は安定しているし、家からも近いし、時給もいいので辞めたくはない。だけど、あの人とは仕事はできないから、部署を変えて貰うことはできないでしょうか?」という要望でした。

それが叶えられるか、わからないけれど、まずは会社にこの話をしても良いかどうか小林さんに確認をした上で、会社の担当者と話し合いをしました。

ありがたいことに担当者も薄々察してくれていました。

というのも、セクハラをしている男性は、今回のようなことが初めてではないこと。

以前も同じように別の派遣社員に言い寄った経験があるとのことでした。

結果的に、話し合いがスムーズに進み、小林さんは部署を変わることはありませんでしたが、指示を出してくれる方が別の女性社員になり、付きまとわれることは無くなりました。

安心で安全な職場のために、セクハラ相談にまい進する日々

実は、こういう事例は派遣会社に勤務している時、本当にたくさんありました。

・会議室に呼び出されて、抱きつかれた。
・飲み会の席で、「おっぱい大きいね!」と大声で言われた。
・愛人になって欲しいと何度も口説かれた
・付き合ってくれたら時給アップしてあげると迫られた。
・夏休みに行くホテルと同じホテルを予約して、バカンス先までついて行こうとしていた。

などなど、職場で起こる本当に理不尽なセクハラの数々。

そして、男性派遣社員スタッフからは理不尽なパワハラを相談されました。

・男性のくせに何で正社員じゃないの?と執拗にばかにされる。
・派遣のくせに意見してくるなよと怒鳴られる
・工場勤務の男性からは、「どんくさい」と足で蹴られた。
・突然、「お前嫌いだから、明日から来なくていい」と言われた。

などなど、本当に聞くに堪えないことが起こりました。

雇用状態が多様化したことも、パワハラやセクハラが起こりやすい理由の一つではありますが、男女の考え方の違い、職場に求めるモノの違いも大きな理由の一つです。

行為者からの心無い一言、相手を思いやれない行動は、受けた側にとって大きな心の痛手になります。

上司と部下、正社員と派遣社員、先輩と後輩。それらはあくまで職場の中での立場であって、人間の上下を付けるモノではありません。

働く人が、どんな立場であれ、社会の一員として安全に安心して働けるようにするため、積極的にパワハラ・セクハラの相談に乗って、解決できるように交渉をしました。

キャリアコンサルタントになって15年。

これまで6000人の方々の就業についての相談に乗ってきましたが、これからも働く方々が、自信を持ってキャリアを形成できるためのお手伝いをしていきたいと思っています。

パワハラ・セクハラは見たこと、うけたことが無い人からすると、全く別の世界の出来事のように見えるようですが、今も世の中の多くの組織の中に起こっています。

一人ひとりが働くことを楽しめるようになること、それが私の願いなのです。

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